がんになり、仕事ができなくなると、当然収入が減ります。
私の母も70代でしたが、仕事をしていたため、少し収入がありました。
病院にかかることで、医療費がかかります。
さらには様々な費用がかかるため、がん闘病中のコストについて考えてみたいと思います。
介護保険のこと
介護保険とは、2000年に創設された制度です。
65歳以上になった方が対象になります。(第1号被保険者)
原則、年金からの天引きという形で納めています。
40 歳から 64 歳の方については、ご自身も老化に起因する疾病により介護が必
要となる可能性が高くなることや、ご自身の親が高齢となり、介護が必要となる
状態になる可能性が高まる時期であることから、40 歳以上の方からも介護保険料
をご負担いただき、老後の不安の原因である介護を社会全体で支えています。(第2号保険者)
介護保険料の基準値は月額6,500円。
保険料段階が、17段階に分かれており、住民税の課税状況や前年の合計所得金額により、計算式が決まるようになっています。
私の母の場合、収入がなくなったため、第5段階に該当することになり、「基準額×0.85」で計算されます。
年額66,300円、月額5,525円ということになります。
これを毎月のコストとして認識しておかなければならないのです。
第1段階の場合、年19,500円
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第17段階の場合、年257,400円となります。
訪問看護のコスト
週に2回、訪問看護の方に来ていただき、入浴介助を受けています。
月8回で月15,000円程です。(後述する高額療養費の支給対象)
その他に資材代がかかります。
PTGBDの場合、
・防水フィルムロール
・スミス・アンド・ネフュー IV3000 ドレッシング フレームデリバリー・タイプ
・キャビロンマルチポアTMドライ
・Gボトル
・エクステンションチューブ
・アルコール綿、消毒液
などが必要になります。
病院のコスト
外来、入院で大きく変わります。
外来はそれほど費用はかかりませんが、入院は何人部屋かにより特別療養環境料がかかります。
病院により異なりますが、一例として挙げておきます。
5~8人室 0円
4人室 7,150円
3人室 7,150円
2人室 9,900円
個室 16,500円~
5~8人室で希望を出しても他の患者さんの関係で空いていない場合があります。
その場合、4人室となることが多いです。
そのため、入院日数×7,150円は入院費用として見越しておいた方が良いです。既に60日入院したため、4人部屋の場合、429,000円(約9か月間)となります。
月平均47,666円。
保険診療でもこのくらいかかります。
自由診療となるとさらに費用がかかります。
膵臓がんステージ4で闘病中の森永卓郎さんは、「標準治療以外の治療もやっているので、結構お金がかかる。このまま行くと年間3,000万円くらいかかる」と明かしていました。
高額療養費制度
同じ月に支払った医療費が、自己負担額を超えた場合、高額療養費として支給されます。
自己負担限度額は年齢及び所得要件に応じて変わります。
70歳未満の方と70歳以上の方では限度額が異なります。
以下は70歳以上の上限額表です。
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000333279.pdf
私の母の場合、住民税非課税世帯のⅡに該当します。
そのため、月の限度額は、
■外来のみの月:8,000円
■外来+入院をした月:24,600円
となるようです。
訪問看護を利用している場合、計算上は外来扱いとなるとのこと。
■外来+訪問看護の月:8,000円
■外来+訪問看護+入院をした月:24,600円
となることがわかりました。
《国民健康保険高額療養費支給申請のお知らせ》
という書類が届きますので、申請書を提出する必要があります。
申請書を提出してから、2ヵ月程度で世帯主の口座に振込されるようです。
なお、切手代84円は自己負担です。
生活コスト
これまでと同じく、家賃・公共料金(電気、水道、ガス、電話、携帯電話、ネット)や食費が発生します。
自分で調理ができない場合、宅配の弁当を利用したりすることになります。
代替療法のコスト
人によってはサプリメントなどを購入し、服用したりすると思います。
栄養補給に必要なマルチビタミンミネラルのようなサプリメントや、炎症を抑えるのに効果的なフィッシュオイルなどを利用しています。
数千円~数万円程度かと思います。
セカンドオピニオンや、自由診療などの医療機関を利用すると費用がかかります。
医療費の税額控除
1月から12月を会計期間として3月に確定申告を行います。
そのため、医療費が高額になった場合、税金の還付が受けれる場合があります。
がんとの闘いがどのくらい続くかわからない
月々のコストは計算すれば算出できるものの、何か月?何年?続くかは全くわかりません。実際、私の母のケースでは余命半年と宣告されましたが、すでにその期間を経過しています。
したがって、できる限り長続きできるような計画をしておくのが良いと思います。
しかしながら、初期の方が様々な治療の選択肢があるのも事実。
難しい舵取りとなりますが、月々のキャッシュフローをきちんと把握しながら生活を続けていきたいと思います。
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